忍者ブログ
三日に一度くらい書けたらいいなの日記。たまにみじかい話も書きます。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

3月21日
(ぺよん/ネタバレ/3月21日のこと)



 月森孝介は耐えたのである。
 昨日、みんなに挨拶がしたくて町中を歩き回ったときも、最後の最後に神様をぶん殴りに行かなきゃならなくなったときも、今日、いま、八十稲羽駅のホームからもう乗り慣れたローカル線に乗り込むこの瞬間だって、耐えているのである。
 挨拶回りをするほどたくさんの人とつながりを持っていたことをいまさら実感して、嬉しくて泣きたくなった。
 神様の呪いから月森をかばって仲間たちが消えていくのがこわくて、こわくてこわくて、泣きそうだった。
 そしていま、電車の発車と同時にみんなが、花村が、里中が、天城が、クマが完二が久慈川が白鐘がホームを走り出すから、そんな超青春映画みたいなことを本気でしやがるから泣きそうです。
 さっきホームで花村に言われた、「しっかしお前ほんと泣く気配ないよな!」。俺が泣いたら菜々子が悲しくなっちゃうだろとこっそり答えたら、ああそっかと花村は納得した様子で一瞬泣き笑いみたいな顔をした。「さっすがお兄ちゃん、強えなー」
 だけど、昨日の夜、月森が布団のなかでこどもみたいに丸くなって、ぎゅっと目をつぶって、夜明けの足音に耳をふさいでいたことを、誰も知らない。
 電車がホームを離れ、誰の声も聞こえなくなって、ようやく月森は深く息をついた。忙しなくまばたきをし、静かにしばらく目を閉じて、またひらいてはまばたきをする。何度もくり返した。みんなで写した写真を持つ手が、すこし震えた。
 五分過ぎて、十分たって、よし耐え抜いた! と小さくガッツポーズをした途端、携帯が鳴った。花村からのメールだった。それをひらく間もなく連続で着信音が鳴り響き、どんどんメールが着信する。

『ほんとは泣きそうになってたの知ってんだぜ!』
『月森くんの涙目なんて超貴重だよねーいいもん見していただきやした!』
『別に我慢しなくてもよかったんだよ?』
『涙は男の勲章っすよ!』
『私とふたりっきりのときは思う存分泣いていいからね、センパイ☆』
『まったく、最後の最後まであなたらしいです』
『せんせいはくまがまもるくま !』

 月森の必死の努力をにこにこと笑い飛ばす仲間たち。
 くっそ、こんなの、泣くわアホ!
PR
更新/ぺよん
続きから、足立と番長の季節はずれな話です。なんとなくネタバレぽい上に、双方ともに性格がアレでアレな感じです。
パソコン直ってサイトちゃんといじれるようになったら、テキストページに移動させます。

拍手ありがとうございます!
 
おめでとう花村さん!
(ぺよん/主花主/2012年6月22日のふたり)



 午前零時、携帯が鳴った。
 絶対に鳴ると確信して実は五分前からスタンバっていたのだが、実際鳴ったら予想の斜め上って勢いでうれしかった。
『誕生日おめでとう、花村』
「おーサンキュ! マジありがとうございます」
『電話待ってた?』
「えっ、や、待ってはないけど。ってことも、ねえけど」
 もごもごと答えたら、月森は電話の向こうで、遠く離れた東京のたぶん自分の部屋のベッドの上にあぐらでもかいて、低く笑った。俺はまだ東京の月森の家には行ったことがないけど、あいつのそういう姿がわりと簡単に想像できる。
 月森の部屋には案外余計なものが多いんじゃないかと思う。小学校の教科書とか中学の制服とか無駄に取ってあって、もう使わないのになんとなく大事な気がして捨てられずにいるんじゃないかと思う。
 部屋は結構散らかっていて、そのほうが居心地がいいと思っている、と、月森自身の口からそう聞かされたみたいに疑いもなく、俺は思う。
『今日もう誰かにおめでとうって言われたか』
「お前が最初に決まってんじゃん、十二時ジャストだったぞ電話」
『狙ってたからな』
 月森の声はこどもみたいにわかりやすく得意げだ。
 一年前の今日は月森がまだ俺の誕生日を知らなかったから、当たり前だけどまともに祝ってもらったりはしていない。月森はそのことをひどく後悔していて、今年は絶対にがんばると公言していた(「何をがんばるクマ?」というクマきちの興味津々な問いは華麗にスルー)。
「お前ってほんと律儀だよな」
『ロマンチストと言え』
 ふふん、と月森が鼻で笑った。
『というわけで、今日学校終わったらそっちに行きます』
「は?」
『今日行けば三泊できるからな』
「いやいやいや、え? マジで?」
『月曜の始発で帰ればギリギリ登校時間に間に合う公算だ』
「何そのハードスケジュール!」
『がんばるって言ったろ』
 月森の声がやさしく笑う。すこしだけ目を細めてすこしだけ口角を上げるやさしい顔をしていると、俺には簡単に想像できる。
 いまちょっと泣きそうになってる俺の情けない顔を、どうか月森が想像していませんように。



* * *

陽介さん誕生日おめでとう生まれてくれてありがとう!
去年に引き続きブログ短文しか書けなくてごめんなさい。
なるべく早めにちゃんとした更新をしたいと思(もはやまったく信用ならねえ台詞)

またしてもしばらく沈黙しててすいません。元気です。
ぺよんリアルイヤーブログはあまりにも更新が滞っているので、近いうちにいったんさげようと思います。半端なことばっかしてほんとすいません…。もっとちゃんと準備して、夏ぐらいには再開できたらいいなと思ってます。
 
こんな状態なのに拍手してくださって、ほんとうにありがとうございます…! 
きれいなものなんて、

(ぺよん/番長と足立/ねたばれの上に2周目ぽい)



 好きじゃないんだ、と、刑事が言う。
「好きじゃないっていうか、まあ、むしろ嫌い? そうそう、嫌い! 好きじゃないとか生あったかい言い方してるとさ、なんていうの、未練ていうか? ほんとはちょっとは好きなんですーみたいなかっこ悪い感じするじゃない。だからね、僕はきれいなものが嫌い、ヘイト、ディスライク、滅びればいいのに!」
「どうしてそんな頭の悪そうな話し方するんですか。本当に頭が悪いなら別にいいんですけどわざとなら痛いです」
「えええ、拾うとこそこなの!?」
 きれいなものが嫌いらしい刑事はそのくたびれたスーツの内に、ピカピカと黒光るきれいな拳銃を呑んでいるのだろう。
 きれいなものが嫌いなら、ただ目を逸らせばよかったのに。おそろしかったなら、目を閉じて見ないようにすれば済む話だったのだ。自らを汚すことはなかったろうにと、学生はこころの底から刑事を哀れみ、そんな自分の驕りを嫌悪した。
「だから僕、きみのことも嫌いなんだよね」
 ざらついた瞳で笑いもせずに、けれど締まりのない顔をして刑事は右手で首筋をさすり、首を傾ける。骨の鳴る乾いた音がかすかにした。
「俺はきれいじゃないですよ」
「それって僕に好かれたいってアピール?」
「全力で嫌ってくださって結構です」
 一瞬本気で鳥肌が立ち、学生は思わず一歩あとずさる。刑事がだらしなくにやつくのを見てもう一歩離れておくべきかと悩みながら、右の拳を強く握りしめた。きっとふたたび冬の訪れた頃、ふたたびこの手にカードと剣を握り、ふたたび、彼を
(ころしたいと思うんだろう)
 きれいなものなんて好きじゃないのさ。



***

無計画に思いついたものメモ。
どういう設定の話で使うかはこれから考えますがとても無理がある予感がします。
 

おめでとうございます。

陽介さん誕生日おめでとうございます!
大好きです。大好きです。大事なことなので2回言いました。
あとセンセイも、花村大好き愛してる、て言ってました。
生まれてきてくれてほんとにありがとう。出会えてしあわせです。

しかし 花誕更新が 間に合いそうもない の です
無能ですいません。すいません。

何もしないのはいやなので、続きに短い話を書きました(仕事の休憩中に)
センセイが変です(いつも)
全体的にだいぶひどいです(いつも)
ちゃんとした更新を今月中にはしたいと、思います…!

拍手ありがとうございますうれしいです、ろくな働きをしない無能ですいません…。
 

 
なんというノープラン

(九龍/主皆/皆誕記念のつもりが日付変わってしまった…。内容は誕生日とはぜんぜん関係ないです)



 とにもかくにも意味不明。まったくわかんね。ぜんぜんわかんね。生まれていちばんわかんない!
 生まれ持った闘争本能は混乱の最中にあってもびくともしない、葉佩は右から飛来した蚊欲を回し蹴りで叩き落としざま左手から這い寄る加賀智に銃口を向ける。しかし引き金を引く前に黒いスクールローファーの足が躊躇なく加賀智の頭を踏み潰し、その足の下からはぐちゃばきばき、と生き物の砕ける音と、生き物だが化け物の蛇が死んで消滅していく際の奇妙に光る煙が上がり、H.A.N.Tが周囲の敵の殲滅を知らせた。
 凶器じみた足先から視線を上に辿れば、眠いのか不機嫌なのかその両方なのか、眉間にしわを寄せて半眼で葉佩を見ている本日のバディ。
「皆守って、野蛮」
「言うことはそれだけか。ほかにもあるなら聞いてやるが、ないなら蹴るぞ」
「もしやその靴底には鉄板が」
「よしわかった、蹴」
「助けてくれてあざあーす!」
 本当は葉佩だけでも十分に対処ができた、いまの戦闘は。けれどひとつ前のフロアでは多勢の化人を相手に苦戦を強いられ、波状攻撃をしのぎきれずにいったん引くことを考え始めたとき、いきなり後ろから蹴り飛ばされて葉佩は見事にすっ転んだ。退路の確保はもちろん、背後にいる皆守を守るためにも背中は死守していたはずなのにと葉佩は自分の迂闊さと危機感に愕然としたが、葉佩を蹴ったのは当の皆守だった。別の意味で愕然。
 葉佩が転んだ直後にそれまで葉佩の頭があった位置を化人の噴いた炎が走り抜けていったので、どうやら皆守に庇われたらしいとわかったが、それにしたってお前! 骨折したかと思うぐらいいてえっつーの!
 蹴られた足を抱えて若干涙目で葉佩は埃臭い床にうずくまった。本気でしばらく立てる気がしない、せっかく庇ってもらってもあとが続かないのではどっちにしろピンチに変わりない。というかむしろさっきよりもだいっっっぶピンチな気がしてならんのですがねもじゃ守くん!!
 すると、葉佩の横にひょいとしゃがみ込んだ皆守が(その頭上をまた化人の攻撃が空振っていく)、間近に葉佩に顔を寄せ、まったくひとっかけらも心配しちゃあいない眠たそうな様子で、うっすらと口元をゆるめた。
「大丈夫か、葉佩」
 胸が、きゅん、としました。
 大丈夫に見えんのかこれが、とわめいてしかるべきシーンなのに、俺は寛容とは縁遠いタイプなのに、おまけにこの感覚は今日がはじめてじゃないような、ほんと意味わからない!
 わからなかったが葉佩は瞬時に体勢を立て直して覚醒したスーパーなんとか人みたいに圧倒的に敵を蹴散らして、「やればできるんだな、トロ職人」と揶揄の入り混じった賞賛をやる気のない拍手とともに皆守からいただいたのだった。きゅん。
(だからきゅんってなんなのよ?)
 そして現在に至る。
「皆守ってもしかして喧嘩上等系の人?」
「一介の高校生ですが何か」
「もしかしてすげえ優しい?」
「迷惑な妄想はやめろ」
「胸がきゅんとするのってどういうときなのかな」
 皆守は、宇宙人を見るような目で葉佩を見た。
「いまの会話の流れが俺にはいっさい理解できん」
「ごめん、相手をまちがえました」
 皆守からは答えが引き出せないらしいことに、葉佩はなぜだかとてもほっとした。
「明日誰か女の子に訊いてみよっと」
「人を好きになったときとかだろ」
「うわっ、なんで皆守が答えちゃうんだよ! 気持ち悪い!」
 ぶん、と地面と平行に鳩尾を狙って飛んできた蹴りをかわし、葉佩は本気で青ざめた。どうしてくれるんだ皆守、お前いまものすごくやばいことを言っ
「皆守、俺、お前が好きなのかも」
 やばいこと言ってるのは俺です!
「……お前何か状態変化かかってるだろ」
 対プリンカレー以上の不快感を向けられるかと思いきや、皆守は心底労しそうな目で葉佩を見た。それはそれでへこむな、と思った自分に、葉佩は膝まで床にめり込めそうなぐらいへこんだ。
 状態変化と言うなら確かにその通り、だけど生憎、これを治せるアイテムは俺には絶対に調合できないのよ。



***

皆守誕生日おめでとう!(ございました…すいません)
いつものごとく誕生日関係ない上、あまりにも適当というか雑というか投げっぱなしですいません。
変な葉佩が好きなんですが、今回は皆守まで変になってしまった気がします。て言ってるはしから皆守もいつも変な気もしてきた。へんな主皆主が…好きです…(結論)
ちゃんとした更新を今月中にはできたらいいなと思ってます。今週中って言えないあたり目標低くてすいません。
 

Trust
(ぺよん/主花主/後ろ向きです)



 悪意のない罪だった。
 悪意で凝り固まった嫉妬だった。
 花村がもう死んでしまった人を思って泣くのが月森は嫌だった。
 花村がもう死んでしまった人を思って笑うのが月森は嫌だった。
 花村がもう死んでしまった人の美点を語るのが嫌だった花村が彼女を好きであり続ける事実が嫌だった。
「醜く死んだ人ほどうつくしく思い出されるものだものな」
 花村を失うとわかっていて月森は言った。季節二つ分の我慢をしたのでもういいと短気に諦めてとても優しく笑って吐いた。
 暴言は川音に洗われてなんの余韻もなく消えた。花村の心からは消えなければいいと残酷に思った。失う前にせめて傷つけたかった。花村にとってひどい人間になりたかった。
 月森を殴り倒して罵声を浴びせた花村は怒りに焼けた目で泣きそうな顔をしていた。拳は十分すぎるほど重たかったが本当はナイフで喉を裂かれたかったしかし花村を人殺しにはできない。
 河原にひとり残された月森の頬がすっかり腫れ上がったころ携帯が鳴った。
『当分お前の顔は見たくない』
 花村は馬鹿なんだろうかと月森は思った。花村の設定するところの「当分」を過ぎたら彼は月森を許す気でいるのだ。いつか許すと決めたのならいま許したも同じこと。なんて馬鹿野郎。
 花村の甘さが嫌だった。花村がその胸の穴を埋めるように寄せてくる好意が嫌だった。花村に許されるしあわせに泣きたくなる自分を月森は心底嫌悪した。
 強張る手から携帯を引き剥がして川に捨てた。もう死んでしまった人に心の奥で詫びた。彼女はその鬱屈した本音すら可憐でうつくしかった。口が裂けても花村には謝らない。
 花村のすべてを欲する月森の欲は醜く
 花村に恋する月森の気持ちはどこまでも
(俺はいつ花村を失うんだろう)
 うつくしいのだった。



***

センセイは臆病者。
 
| top | next |
| 1 | 2 | 3 |
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
リンク
フリーエリア
最新CM
[08/11 カンコ]
[08/03 coco]
最新TB
プロフィール
HN:
カンコ
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ  [PR]
  /  Design by Lenny