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三日に一度くらい書けたらいいなの日記。たまにみじかい話も書きます。
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きれいなものなんて、

(ぺよん/番長と足立/ねたばれの上に2周目ぽい)



 好きじゃないんだ、と、刑事が言う。
「好きじゃないっていうか、まあ、むしろ嫌い? そうそう、嫌い! 好きじゃないとか生あったかい言い方してるとさ、なんていうの、未練ていうか? ほんとはちょっとは好きなんですーみたいなかっこ悪い感じするじゃない。だからね、僕はきれいなものが嫌い、ヘイト、ディスライク、滅びればいいのに!」
「どうしてそんな頭の悪そうな話し方するんですか。本当に頭が悪いなら別にいいんですけどわざとなら痛いです」
「えええ、拾うとこそこなの!?」
 きれいなものが嫌いらしい刑事はそのくたびれたスーツの内に、ピカピカと黒光るきれいな拳銃を呑んでいるのだろう。
 きれいなものが嫌いなら、ただ目を逸らせばよかったのに。おそろしかったなら、目を閉じて見ないようにすれば済む話だったのだ。自らを汚すことはなかったろうにと、学生はこころの底から刑事を哀れみ、そんな自分の驕りを嫌悪した。
「だから僕、きみのことも嫌いなんだよね」
 ざらついた瞳で笑いもせずに、けれど締まりのない顔をして刑事は右手で首筋をさすり、首を傾ける。骨の鳴る乾いた音がかすかにした。
「俺はきれいじゃないですよ」
「それって僕に好かれたいってアピール?」
「全力で嫌ってくださって結構です」
 一瞬本気で鳥肌が立ち、学生は思わず一歩あとずさる。刑事がだらしなくにやつくのを見てもう一歩離れておくべきかと悩みながら、右の拳を強く握りしめた。きっとふたたび冬の訪れた頃、ふたたびこの手にカードと剣を握り、ふたたび、彼を
(ころしたいと思うんだろう)
 きれいなものなんて好きじゃないのさ。



***

無計画に思いついたものメモ。
どういう設定の話で使うかはこれから考えますがとても無理がある予感がします。
 

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