忍者ブログ
三日に一度くらい書けたらいいなの日記。たまにみじかい話も書きます。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

感傷

(P4/小西先輩と陽介)
勢いで書き殴ったはいいけどなんか暗い話になってしまったので続きにしまってみました。
超序盤の展開に関してですが、若干ネタバレ要素ありです。


(P4/小西早紀と花村)

しんじゃった

おおきな口がいとおしかったな、それしか思い出せない。
その犬は、誰が撫でても、途端に牙を剥いてすごい形相をした。だから早紀も最初はその犬がこわかったし、二つ下の弟は早紀の後ろに隠れては泣きべそをかいた。
よろこんでるみたいだよ、という弟の(早紀の、でもあるけれど)幼なじみの男の子の言葉を、早紀はうそだと思ったけれど(よろこんでてこの顔なの?)、のちに飼い主のおじさんも同じことを言ったので本当だったみたいだ。動物の気持ちを解する弟の幼なじみを、こころのやさしい子なんだ、と早紀は思った。
元気でうつくしい犬だと思っていたけれど、本当はもうずいぶんおじいちゃんだったらしい。
「ろうけんなんだよ」
飼い主のおじさんの言葉を、早紀はそのときまだ小学生だったから、すぐには漢字に変換できなかった。
老犬。

老犬はそれから、六年間生きた。驚くぐらい、強く、長く生きた。

「あの子がうちの犬じゃなくてよかった」
バイトの休憩時間、バックヤードにエプロンを投げ捨ててただの客のような顔をしてフードコートに出ると、空は青く澄み渡っていた。早紀の言葉に、エプロン姿のままついてきていた後輩の少年が、戸惑ったようにすこし眉を下げる。
「自分ちの犬だったら、もっと悲しいでしょ」
「そう、すね」
少年の声はいつもよりずっとトーンが弱く、慎重だ。答えにくい話を振ってごめんね、と早紀は思う。思うけれど、いちばん言いやすいので、彼に言う。言ったって仕方ない、だけど黙って溜めてはおけないことを、全部彼に吐き出す。甘えていると自覚のないふりをする。
「うち動物飼えなくてよかったな。なくすのいやだから」
自分の物も。人のうちのペットも。
「なくしたくなかったの」
恋も。
「もし私がいなくなっても」
「先輩、」
「花ちゃんは悲しまないでね」
「冗談でもそういうこと言うの、やめてください」

ときどき思い出してくれたら、それでいいよ。





***
わけわからんくてすいません。そのうちちゃんと小西先輩の話書きたいです。
小西先輩好きでした。儚げですごいかわいかった。なので、すぐにあんなことになっちゃって悲しかったです。完二と尚紀が幼なじみってことは小西先輩と完二も、て考えていいのかな。ちっちゃい頃はいっしょに遊んだりしたのかな。小西先輩と完二が話してるとことか見たかったです…。
PR
COMMENT
Name:
Title:
URL:
Message:
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Pass:

TRACKBACK
この記事にトラックバックする
| prev | top | next |
| 247 | 246 | 245 | 244 | 243 | 232 | 241 | 240 | 239 | 238 | 237 |
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
リンク
フリーエリア
最新CM
[08/11 カンコ]
[08/03 coco]
最新TB
プロフィール
HN:
カンコ
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ  [PR]
  /  Design by Lenny